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特に第二の理由について考えてみると、国際運輸業は、船舶又は航空機が国際間を往来することによって成立するものであり、しかもその往来は、単に二国間を往復するばかりでなく、数多くの国を巡航し、また、公海上も運航するため、課税上はその所得がいったいどこの国において発生したのか、どこの国において課税すべきか明確でない。
我が国においては、運輸業の所得は旅客の乗船地又は貨物の船積地で発生すると考えられており、その運賃収入を基準とし、これをもってその船会社の全所得を按分した額を日本源泉の所得としているが、このような所得源泉の判定ないし配分の方法は国によって一様でない。
国によっては貨物を陸揚げしたときに所得が発生すると考えるところもあり得るわけであり、各国がそれぞれの原則によって課税する場合には、同一所得に対して二重に課税することになったり、所得がないどころか赤字になっている船会社に対しても外国の所得課税が行われることがあり得る。
また、仮に国際間において所得按分の原則が確立されたとしても、国際運輸業にあっては、申告や納税のために大変な手続を強いられることになる。
このような考えは、国内法上の措置にもみられ、「外国船舶ノ所得税等免除ニ関スル法律(大正13年法律第6号)」及びこれを受け継いだ「外国人等の国際運輸業に係る所得に対する相互主義による所得税等の非課税に関する法律(昭和37年法律第144号)」(以下「相互非課税法」という。)がある。
相互非課税法では、相互主義に基づき、我が国企業が営む国際運輸業に係る所得で相手国で生じたものに対し、当該相手国が課税しないことを条件に、当該相手国の企業が営む国際運輸業に係る所得で我が国で生じたものに対し、所得税、法人税、住民税(所得割、法人税割に限る。)又は事業税を課さないことにしている。
このような相互免除については、政府間の交換公文あるいはこれに類似する政府間の合意によって、その免除する旨の意思を確認することとしている。
一方、条約上、国際運輸業については、一般対象税目に加えて事業税をも相互免除の対象としている。
これは既に述べた所得計算の困難さ等の事情があることのほか、相互免除が所得を課税標準とする住民税以外の他の地方税(事業税がまさにこれに当たる。)に及ばないとすると、その免税の効果が半減し、不徹底になるからである。
ただし、この場合について、昭和37年の相互非課税法の趣旨に基づいて、相手国に我が国の事業税に類似する租税があり、かつ、これを対象としない場合にについては、事業税を対象としないことにしている。
また、最近の租税条約においては、相手国に我が国の事業税に類似する租税がない場合については、相手国が今後事業税に類似する祖税を課さない条件に応じて、我が国の事業税を免除することとしている。
租税条約を締結していない国との間でも、国際運輸業に対する課税の調整の必要性から既述の相互非課税法に基づき、同法施行令で相手国を指定することにより、国際運輸業について所得税等の相互免除をしてきた例は多い。
しかし最近では、新たに条約を締結したり、従来の条約を改正したりする場合には、免除規定を国内法から条約に移して一元的に取り扱うようになってきている。

 

 

 

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